KANEKO Laboratory

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Ritsumeikan University

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Research

二酸化ゲルマニウム薄膜の合成とパワーデバイス応用

二酸化ゲルマニウム(GeO2)は古くて新しい材料ですが、2018年頃よりバンドギャップが4.68 eVと巨大でありながら、p型とn型の伝導制御が可能である事などが理論的に予測されはじめ、パワーデバイスとして高いポテンシャルをもつ事が注目され始めました。さらに、様々な合成手法によりバルク合成が可能であるため、将来的には基板の大量供給とホモエピタキシャル成長膜の量産が可能である事が示唆されます。

しかしながら、この材料は従来、薄膜合成においては結晶になりづらく合成が困難でした。しかしながら当研究室では2021年8月に厚膜の合成を報告し、今後も研究を進めて参ります。

( H. Takane and K. Kaneko, Applied Physics Letters Vol.119, pp.062104(1-6) (2021).) 

GeO2薄膜とTiO2基板界面における断面TEM画像

p型超ワイドバンドギャップ半導体の開拓とデバイス応用

半導体の禁制帯幅とメジャーキャリアの密度は経験則的にトレードオフとなる傾向があります。しかしながら、この経験則に矛盾する材料が近年多く発見・開拓されています。それは4.0 eV以上の巨大なバンドギャップをもつ材料群であり、ダイヤモンド(C)や窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)などです。この中で、有意なキャリア密度とキャリアタイプ制御が出来る材料としてダイヤモンドやAlGaNは優れた特性を示します。

一方で、酸化ガリウム(Ga2O3)は、安定相のb-Ga2O3 (Eg = 4.5~ 4.9 eV)や、準安定相のa-Ga2O3 (Eg = 5.3 ~ 5.7 eV)を用いたデバイスの動作が報告されており、一部のデバイスは既に市販化されています。しかしながら多くの酸化物同様に、価電子帯が酸素の2p軌道で構成されている事から正孔の移動度が極めて小さく、ドーピングによるp型チャネル層の作製が困難です。

そこで、当研究室では酸化ガリウムと良好な接合を形成する材料に着目し、その合成を進めてきました。例えばa-Ga2O3 と同じ結晶構造(コランダム構造)をもち、p型特性を示す材料として酸化ロジウム(a-Rh2O3)、酸化イリジウム(a-Ir2O3)に注目し、結晶膜の合成とp型特性の開拓を行ってきました。成果の一つとして、バンドギャップが4.2 eVでp型伝導を示す酸化イリジウムガリウム(a-(Ir,Ga)2O3)を用いてa-Ga2O3 と接合を形成し、100V以上の逆方向耐圧を示しています。

(K. Kaneko, Y.Masuda, S. Kan, I. Takahashi, Y. Kato, T. Shinohe, and S. Fujita, Applied Physics Letters, Vol. 118, pp.102104(1-4) (2021). )

あたらしい準安定相-非平衡系化合物の開拓

テーマ1,2に通じますが、好奇心のままに様々な準安定相化合物を合成する事を大切にしています。少し古い話ですが、金子が大学院生の時に「これまで見向きもされていなかった変な酸化物を作り、新しい物性を開拓する」という「ツチノコプロジェクト」を始め、指導教官であった藤田静雄 京都大学教授(現:京都大学名誉教授)からお許しを頂き、様々な酸化物を合成していました。「変な酸化物」の研究というのは当然ながら、先行研究が少なく参考文献も乏しいもので、まさに暗闇の中を手探りで進める状態でした。しかしながら、この手探りが妙に面白く、お化け屋敷や夜釣りのように、暗闇独特のワクワク、ドキドキする気持ちが長く続きます。

この気持ちを大切にしながら、今日も新しい材料に挑んでいきたいと思います。

 

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